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「かなりのファンキーなノリ」というリリース前の評判を裏切らず、序盤から次々と繰り出すリフの応酬には心踊らされてしまう。@DFHといったファンキーなロックや、Aのように”Your Time Has Come”の踏襲を感じる痛快なハードロックがあるなど、陽性なムードに溢れている。
だが、後半まで通して聞いてしまえば、これまでのアルバムからの大きな脱皮があるとは思えない。また、楽曲にバリエーションはあっても、既にハイトーンを失い、持ち味の声域を生かせなくなったクリスの表現力の制約のおかげで、アルバムをフラットな印象にさせている(不要とも思える日本盤のボーナストラックにおけるクリスのライブパフォーマンスを聞けば、聞いている側まで喉が痛くなるほどだ)。それだけでなく、曲調がファンキーになればなるほど、クリスのフットワークの重い朗々とした歌声はミスマッチな印象さえ受ける。一方、リフでは相変わらず卓越したセンスを光らせるトムだが、得意のギターソロでは、もはや取って付けたようなファン・サービスのように、使い回しの持ちネタを機嫌よく振りまいている感がある。おそらく聞き込んでいけば更なる魅力を見つけられるとは思うが、聞き込みたいと思わせてくれるスリルの魔力がない。
「Rage against the Machine meets Soundgarden」の世間評価を取り払うべく、前作「Out of Exile」を発表する前は「U2のような曲もある」と自信げに語り、本作発売前も自身の音楽を「Led Zeppelin meets Earth Wind & Fire」と語る彼らだが、常に他のビッグ・アーティストを引き合いに出して自らの音楽を形容している姿勢は、”Audioslave”だけの音を追求しているようには思えない。
1stアルバム「Audioslave」発売後、1+3=4の予想通りの作品しか生まれなかったと批判され、個人的にも少なからずそれを感じる部分はあった。そのため、自然と1stアルバムが今後の成長の叩き台というイメージが出来てしまい、否が応でも今後の相乗に期待してしまった。確かにアルバムを作っていけばいくほどRage against the MachineともSoundgardenとも異なるAudioslaveとしての融合へとシフトしていったが、それは相乗ではなく協調という結果に終わったように思える。本作で感じることができたのは、ちょいワルな大人のロックという安心感でしかない。現にアルバムを通して、これまでになくメンバーが楽しんでプレイしているのは想像ができる。前作で全米をはじめ各国チャートで1位を獲得した彼らにとって、本作もプラチナムを獲得するには相応のクオリティを持つ作品であろう。しかし、もはや自分達の型を崩せない、バンドとしての限界を感じられる"完成品"とも受け取れた。
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